honey blood
急に動けなくなった体は母さんに縛り付けられてる。



マジでキレてるわ…。



俺たちみたいな純血は力も強いわけで、触れなくても相手の指一本すら動かせないようにできる。



能力と言った方が早いだろうか。



ハーフにはない力…。



「母さん…？マジでやる気？」

「動けるもんなら動いてみなさいよ。アンタが動く前にブスッとやってやるけど」



母さんの爪がナイフのように鋭くなって…。



最近の俺の行いのせいでマジで殺される気がする…。



アレでグサッとやられたらかなりいてぇだろうな…。



「母さん、俺、何歳だと思ってんの？」

「死なない程度にしてやるから安心しな？」



さすがに力は強くなってるってば…。



動かした体を起こして瞬間的に襖まで移動した。



「高速移動なんていつの間に覚えたのかしら？」

「母さんじゃ俺はやれないってことじゃね？」



朝から親子ゲンカなんて何年ぶりだろう…。



やっぱり母さんは気が強い…。



< 36 / 506 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop