honey blood

終わらせたノルマ。



向かう先はヴァンパイア協会本部。



「大きくなったな、紫」

「じい様!!変わってねぇ～!!」

「総帥と呼べ」

「そーすい？偉そうだな」

「じいちゃん、偉いんだ」



本部にいたじいさん。



何年ぶりかの対面は後を継ぐための儀式と査定だけで終わってしまった。



一緒にメシとか食いたかったな…。



「日本の未来は紫にかかっているんだ、しっかりな」

「はいよ」

「花嫁候補がいると聞くが人間はさすがに認められんぞ」

「わかってます～。じゃ、国に帰る」

「達者でな」



飛行機に乗り込み、向かう先は日本。



俺がいつ帰るなんて、誰も知らないはず。



フラッと帰ってビビらせてやろ～。



だけど実際、心の中は不安でいっぱいだった。



きっと３ヶ月くらい経ってる。



連絡もせずに…。



「帰れんのに暗い顔してんなよ」

「ブライアン!?なにしてんの!?」

「このまま日本観光に行く～」



俺の気も知らずに…。



おかげで胸の苦しさは少し紛れた。



早く会いてぇな、蜜…。