honey blood
その蜜が次の日もやってきた。



「あたしを純血にしてよ」

「寝起きでなに言ってんだよ…。ハーフで十分だろ…」

「偉い人いっぱ~い反対してんでしょ?龍太さんに聞いたけど」

「理事長…」

「だからあたし、紫のそばにいたいから純血になる」



殺せるわけがない。



俺はお前のことを殺せない。



「バカか?一回死ぬんだぜ?」

「紫のそばにいれなきゃ生きてたくないって言った」

「それは一時の感情だ」

「じゃあ紫は…?離れてもいいと思ってる?」



言葉に詰まってしまい、心の内はバレた。



甘過ぎるのは会った時から知ってたけど、性格だけは辛かったのに。



いつの間に甘いこと言うようになった?



もっとビシビシキツいこと言うだろ。



弱ってんじゃねぇよ…。



泣きそうな顔してんじゃねぇよ…。



俺、お前を殺すかもしれないんだぜ?



「俺も蜜のそばにいてぇよ…」

「じゃあ純血にして」

「それはムリだ。お前を失うには早すぎる…」



キラッと光った何かが俺の目に入った。



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