honey blood
変わらぬ君で
【蜜】



体が冷たい。



真っ暗な部屋の中にいて、寒くて苦しくて…。



早くここから出たくてたくさんもがいた。



息ができなくなる。



体全部が痛い…。



助けて、紫…。



動きたいのに指すら動かない…。



「悪い、失敗した」

「えっ?じゃああたし死んだの?」

「そうだな。俺は次探さなきゃなんねぇから。元気でやれよ?」

「ちょっ、紫…」



なに言ってんの!?



ムカつくんだけど!!



あり得ないんだけど!?



「ふざけんなバカ紫ぃ~!!」

「ずいぶん派手な目覚めだな…」

「あ、れ…?」

「やっとお目覚めか、眠り姫」

「なんで…ブライアン?」

「紫はちょっと出てる。上のもん黙らせて来るってよ」

「どれくらい…寝てた?」

「かれこれ3週間」



そんなに寝てたなんて…。



気づけばもう春がそこまで来てました。



「成功…したんだね…」

「大したもんだ、天音ってのは」

「天音?」

「完璧にタイミング計ったのはアイツだからな」



天音に助けられたのか…。



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