honey blood
しばらくして慌てて部屋に入ってきた紫は、片方の瞳が真っ赤だった。



「ねぇ、なんで…?」

「コレとお前を交換したんだ」

「ウソ…、じゃあ見えない…の?」

「そうだな。不便はねぇから。気にすんな」



知らなかったよ、そんなの…。



あたしのせいで紫の片目が…。



「力発動したら見えんだから。血を飲んだ後も少し見える」



気を効かせたブライアンが部屋から出て行って、あまり力の入らない手を紫が握ってくれた。



やっぱりあたしって紫の前だと泣いちゃうみたいだな…。



「ただいまっ…」

「おかえり」

「もう離れないでいい?」

「ん、大丈夫」



紫の腕の中にいていいんだ…。



このままそばにいてもいいんだ…。



「一生俺のもんだ」

「うん、大好き…。死ぬほど好き。離さないでね…」

「当たり前だろ。これからもたっぷり可愛がってやるよ」



こうしてあたしはヴァンパイアになりました。



自覚は全くないけどね。



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