honey blood
【紫】



やっと挨拶回りが終わった。



一軒ずつ回り、父さんの部下たちからの署名を全員分集めた。



これであとは継承の日を待つのみ。



「紫いる~?」

「おっ、蜜。ナイスタイミングで食われに来たか?」

「バカじゃねぇの。相談あるの」



チッ…。



俺もそろそろ限界だっつーのに…。



こうなりゃ話は布団の中で聞いてやる。



「二葉がそんなこと…」

「んっ…だから雪丸君の気持ちっ…」

「気持ちいい?」

「言ってなっ…い…」

「雪丸にだってプライドとかあんだろ。仕方ねぇよ」

「あたし…二葉をヴァンパイアにする」

「まず集中しろよ。よけいなことばっかり考えてっとマジでぶっ壊すぞ」

「勘弁っ!!」



数ヶ月ぶりだってのに…。



ムードもなんもねぇな…。



「このまま噛むけど覚悟は?」

「やぁっ!!」



いただきます。



この苦しそうな姿、たまんねぇな…。



早く一緒に暮らして毎晩…ムフッ。



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