honey blood
ヴァンパイアとしての機能なんてなくていいんだと思う。



アイツらはただ一緒に同じ時間を生きたいだけなんだ。



「もしもし、雪丸?」

「どうかした?」

「今から来いよ」

「もう寝る時間…」

「俺、お前のこと好きなんだよな。だからいろいろ、力になりてぇの」

「意味わかんないよ。なんの告白?」

「吹雪向かわせるから乗ってこい」



半ば無理矢理呼んだ雪丸は風呂上がりにやってきた。



天音を好きじゃない雪丸でも、珍しく真剣に話を聞いていて。



「僕でも二葉をヴァンパイアにできるんだ…」

「理論上な?失敗するはずはないと思う。これが成功したら結構機密事項だけど」

「危ない橋は渡らせたくないよ…」

「紫になんとかしてもらえるし。実験って名目でやってみない?」



蜜の悩みも解決だろ?



これでやっとゆっくりできる…。



話を終えて部屋に戻ったら、蜜が浴衣を羽織って月を眺めてた。



色っぽい…。



「起きたか」

「紫不足で目が覚める」

「さっきのじゃ足りねぇの?このドエロ娘」

「違う、血が足りない…」



俺は蜜が足りない。



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