honey blood
新学期が始まる前に着々と引っ越しを済ませ、3年生にあがる前日、ちゃんと引っ越した。



紫は前の日に来ていて、お手伝いさんも今日から。



「お初にお目にかかります、春奈(ハルナ)と申します」



若くて美人な家政婦さんだな…。



話を聞けば、あの吹雪さんの妹だとか。



「春奈には世話になってるしな」

「とんでもございません」



そうか、この人があたしの変わりに紫に血をあげてた人…。



モヤッとする…。



なんで彼女なの?



「蜜です…」

「兄よりお話はかねがね伺っておりました。いたらぬところもございますが、よろしくお願いいたします」



非の打ち所がない。



紫のお気に入り?



「蜜様はたくさんお食べになられますよね?夕飯の準備に取りかかりますので」

「よろしくな。で、蜜はこっち」



むぅぅぅぅ~…。



気に入らない…。



紫は女心を全くわかってないよ!!



ベッドルームに引っ張り込まれたあたしはやっぱりムスッ…。



< 421 / 506 >

この作品をシェア

pagetop