honey blood
婚姻届は吹雪が出した。



あんな紙、どうだっていいんだ。



俺たちに戸籍なんかあってないようなもん。



「今日って初夜だな」

「そうだね~」

「風呂入ろっか」

「えっ…?一緒に?」

「そりゃあ夫婦だし、当たり前?」



挙動不審になった蜜がカワイくて、何も言わずにテーブルの上を片づけた。



なにも言わないってことは意識してる証拠で、俺が言ったことを頭の中で整理してるんだと思う。



「よいしょ」

「なっ!?」

「風呂入るぞ」

「ちょっ、待って!?心の準備ができてない!!」



抱き上げてから担いだらジタバタ抵抗。



残念だな。



今日は好きにさせてもらう。



「ヤダヤダ!!絶対ヤダ!!恥ずかしい!!」

「ならこのまま入れ」

「えっ!?マジ…ぎゃぁぁぁ!!」



服着たままドボーン。



あっ、溺れてる…。



腕を引っ張ってお湯から出すと怖かったのかスゲー顔…。



「泳げないって言ったじゃん!!」

「くくっ…わりぃ」

「信じらんない!!」



蜜が恥ずかしがるからだろ。



< 429 / 506 >

この作品をシェア

pagetop