honey blood
教室に戻ったら二葉と蜜が楽しそうに喋ってた。



思ったことなら暴言だろうが口に出す蜜に対し、二葉は仏のような笑顔。



天然な二葉には蜜ぐらいの性悪でも釣り合うらしい。



「紫、夏休みどうするの?」

「夏休みって厄介だな…」

「なんで!?」

「蜜に会えねぇ」

「…………紫が恋してる」



恋じゃねぇから。



俺はあいつの血にしか興味ねぇのに。



だけど長い休みで会えなくなるのは死ねと言われてるようなもん…。



「オイ、蜜」

「なにか?」

「お前って夏休み実家帰んのか?」

「あたしには帰るような場所なんてないよ」

「そうか。ならうち来いな」

「行くわけなくね?バカじゃね?なに考えてんの?」



やっぱりムカつく…。



この口の悪さと態度の悪さはどうにかならんもんなのか?



でもコイツの弱点は薄々気づいてんだ。



「3食プラスおやつ。そして昼寝付き」

「ま、マジ…?」

「好きなだけ」

「ならお世話になってやってもいいかなぁ~」



ほら。



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