honey blood
二葉はあたし達のこの契約の時間を『デートだね~』なんて言っていたけど、妹の世話をしたくてウズウズしてる彼氏らしき人物はあたしに早く食えと言う。



「早食い、体に悪い」

「お前のバカ食いの方が体にわりぃ」

「メシくらいゆっくり食わせろっての」

「俺を待ってるヤツがいんだよ」



こんなのデートじゃないでしょ?



デートと言うのは手を繋いで遊園地とか、映画見に行くとか。



そんなのだよね?



よって、これはデートではない。



「ごちそうさまでした~!!うまかった!!」

「じゃあ気をつけて帰れよ」

「なにソレ、心配?」

「自分のもんに手ぇ出されんのがムカつくだけだ」

「そうですか。じゃあね」



紫って男は『俺の物は俺の物、お前の物も俺の物、俺が全てだろ?』って性格。



はいはい、死ね。



って感じのあたし。



コレって付き合ってるって言えるのかな?



お店を出て、寮に向かう途中、この街に来た日以来にナンパされた。



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