honey blood
キレイな顔で、物腰も柔らかくて。



ナンパなんてしなそうなヤツなのに。



「いい匂いがするね…」



なんて言われて背筋が凍った。



コイツ、ヴァンパイアかもしれない…。



もしヴァンパイアなら、人並みはずれた身体能力から逃げられる気がしない。



この街って必然的にヴァンパイアが集まるみたいだし…。



かなりヤバい?



紫が気をつけろって言ったのはコレかも…。



「カラオケとか行かない?」

「あたし…ちょっと電話しなきゃ…」

「そう、じゃあ待ってる」



紫、紫、紫…。



初めて紫の番号を携帯に出した。



「なんだよ、もう寂しくなっちゃったとか言わねぇよな?」

「そ、そうなの…。だから…やっぱり…」

「どうかした…のか?食い過ぎて頭おかしくなったわけ?」

「おかしくないよ?今ね、寮近くのコンビニにいるの」

「あ!?意味わかん…誰かいるのか?」

「うん、どうしたらいい?たぶん紫と同じ種類だと…」

「クソが!!」



プツッと切れた…。



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