honey blood
どうやら紫は一発で機嫌が治ったらしい…。



すごい力…。



「二度とコイツに話しかけんなよ」

「わわわわ、わかりましたっ!!」

「秩序乱すようなことしてみろ。俺がお前を殺しに行くから」

「しません、しません!!申し訳ありませんでしたっ!!」



スッキリしたような顔で振り返った紫は、ニヤリと笑ってあたしに近寄る…。



なんか恐ろしいこと考えてるよ…。



「少し我慢しとけよ?」

「へっ!?もう血はっ…いっ…」



首を噛まれると思ったのに、痛みは耳に走り。



ジンジンとする耳に、自分のピアスをはずして付けた。



ハンパなく痛いんですけど…。



消毒とかしないの?



「コレ、持ち主以外が外そうとしても外れねぇから」

「痛いんだけど!!」

「ナンパなんかされた報いだ。じゃあな」



ちょっと待ってよ!!



本当に耳がジンジンして痛い…。



背を向けて歩き出した紫はこっちを見もしなかった。



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