honey blood
そのまま強い睡魔に襲われ、閉じたくない目をひたすら開けようとするも…。



薬には勝てない…。



目が覚めた時には強い倦怠感。



ついでに頭痛まで。



ぼやける視界で周りを確認すると、見覚えのある景色だった。



家だな…。



「不良息子のお目覚めか?」

「父さん…」

「体は大丈夫か?」

「んなわけねぇっしょ…。頭いてぇ…。それより蜜は…」

「お嬢さんなら寮に帰したそうだ。3日もすれば動けるようになるだろうって言ってたぞ」



よかった…。



無事だったか…。



「ヴァンパイア殺しは罪にならない」

「知ってる…。痕跡すらのこさねぇからバレもしねぇ…」

「紫が手を汚したところで彼女は喜ぶとは思えないけど?」



そうかもしれない。



だけど俺のプライドとか、胸の中のどうしようもない黒い感情がそれを許さない。



蜜に手を出したヤツを許すなと、頭が言ってる。



「ピアス、やったんだってな?」

「アイツは俺のだから…」



意味を成さなかったな…。



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