honey blood
いざ教室に行くと、紫は来てなくて。



あたしをボコボコにした遊佐さんもいない。



待ってよ…。



「雪丸君、遊佐さんは?」

「休みだよ」

「理由は!?」

「事故に合ったみたいだけど」



マジですか…。



まさか先生が…。



「あっ、おはよう紫っ!!」



む、紫っ!?



雪丸君の声で見てしまった紫の顔。



目が合った紫は意外な反応をした。



フワッと安心したように笑ったんですけど…。



や、やっぱり顔見れないっ!!



反らしてしまった目の行き場はどこにもなくて、最終的には俯いて自分の手を見つめてしまった。



「チッ…」



舌打ちした紫は自分の席に行き、言葉なんか交わせずじまい…。



なんか…モヤッとするのはなんで?



「紫となんかあったの?」

「な、なにもない…」

「明日から夏休みだし、紫んちいるんでしょ?僕も遊びに行くからね」



明日から…夏休み?



忘れてたんですけどっ!!



あたしのアホっ!!




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