honey blood
台所へ行く途中に通った居間には母さんがいた。



今日はお偉いさん方の奥様達でランチとか言ってなかったか?



「なにやってんの…」

「ムカつくんだもん…」

「誰が?」

「あの若造が!!あたしより80歳若いだけじゃん!!なにが『その頃生まれてないです~』だよ!!」

「そう…」

「なんて言ったと思う!?『歳とってからのお子さんはカワイイですか?』だって。旦那、うちの下請けのくせに!!抹消しそうになった!!」



触らぬ母さんに祟りナシ。



まぁ実際、俺も母さんが105歳で生まれたわけだし。



子供が出来なくてやっとだったから大変だったらしいし。



「母さんは若くて美人ですよ。だから妬まれたんでは?」

「思ってもないこと言ってんじゃないよ。消すわよ?なにその口調。ナメてんの?」



うん、父さんに頼もうか。



今日は蜜と母さんの接触を控えよう。



逃げるように台所へ行き、冷蔵庫からお茶とアイスを出した。



書斎に行こう…。



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