honey blood
その日の夜、双子達が花火をしたいと言いだし、蜜と外に出た。



父さんは母さんを連れ出し、今頃豪華なディナー中だろう。



コンビニで花火を手にしたら、急に蜜が肉まんが食いたいと言いだし、バイトの店員に夏でも置いとけとクレームを出した。



平謝りの店員が気の毒になり、頭上から一撃喰らわせた。



「いってぇ~…。あたし彼女じゃん…」

「すみません、コイツバカなもんで」

「あっ!!紫だけプリンずるくね!?」

「っせんだよ!!段ボールに詰めて川に流すぞゴルァ!!」

「DVかよ」



常識ねぇのかお前は!!



会計を済ませてブーブー言ってる蜜の手を握って外に出た。



裏表がねぇヤツなんだな…。



「お前はクレーマーか!?夏に肉まん置いたって売れねぇだろ!!世の中はお前が基準じゃねぇんだよ!!どちらかといえば俺が基準だ」

「紫っ…」

「なんだよ!!」

「手…」

「手?」

「ははは、離してよ…」



あっ…。



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