秘密
SIDE.門田悠平
「単刀直入に聞く。お前、見ただろう」
「!」
やはりとでも言うべきか、珠子の顔が青ざめたのが解った。
珠子の予感は的中していた。
珠子は今、悠平に呼び出されて人気の少ない中庭の隅にいた。
「み、見たって」
「見ただろう、俺と雨宮を」
「……うん」
これは悠平が思っていたよりも正直に珠子が頷いた。
悠平は珠子に詰め寄った。
珠子の顔がまた少し引きつったようだ。
そうして彼は言った。
「今野珠子。このまま放っておくわけにはいかないし、お前俺と付き合え」
「付き合え?」
珠子は悠平に言われたことを瞬時に理解できずにいた。