秘密
SIDE.雨宮好美
門田君は私が遊びで付き合っていると思っている。
私にそんなつもりはないのに。
門田君は優しい。
とても私を慕ってくれている。
立場上貴方が苦しい想いをしても、裏切るつもりはない。
私は貴方を裏切らない。
雨宮はいつも悠平を見ていた。
悠平が雨宮のことをそういう目で見ていたことも知っていた。
だから最初は利用しようとしていた。
なのに、どうして。
私は貴方を、どうして。
「先生」
「あ、門田君。どうしたの?」
貴方は私を裏切らない。
そうでしょう。
「俺、今野珠子と付き合うことにした」
そうでしょう。
そうでしょう?
貴方ハ私ヲ裏切ラナイ。