涙のあとに――

「おい」

「ん?……って、あー!!」


俺は、こいつが嬉しそうに持ってるガムを取り上げてやった。


幼稚だな自分、と苦笑する。


だけど。
もっと純粋で負けず嫌いな彼女は、俺からガムを奪い返そうと迫る。


「しょ〜う〜や〜っ!!」


怒りに燃える瞳。

懸命に、俺からガムを取り返そうとする小さな体。



その全てが愛おしい。



うん。
そのまま、俺だけを見てよ。


じゃなきゃ、嫉妬と不安で狂いそうだよ俺。


ごめんな。

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