涙のあとに――
私より10センチ以上高いところにある、少し吊り上がった黒い目。

それが私を、

とても退屈なモノをみるように、

迷惑そうに、

……見つめた。


「…あ、ごめん。ぼーっとしてるみたいだったから、気になって」

私が慌てて言うと、将夜はひとつ溜息をついた。

そしてそのまま視線を二人の男友達へと向け、

「そういえばっ!お前ら、あのゲームが今日発売だって知ってたか?!」


……とても楽しそうに。

瞳をキラキラとさせながら、話し始めた。




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