電話越しの君へ
「………なんで気付かねぇかな。
こんなに好きだっつーのによ」
切なげに目を細められれば恥ずかしくなって俯いてしまう。
やだ、私パニクってる。
「……杉本が、私を好きなわけないよ……っ」
止まってたはずの涙がまた頬を伝ってゆく。
杉本はからかってるんだ。
じゃなきゃ、この数ヶ月はなんだったってゆーの。
杉本の好きな子の話を聞き続けた、この数ヶ月は。
「俺、何度も電話でお前に好きだっつったじゃん」
「だってそれは、友達として、でしょう?」