電話越しの君へ
涙声で言うと、彼はますます眉間にしわを寄せる。
「仲間がお前に告った次の日、あいつのこと殴って脅した」
「は!?」
その言葉には、さすがに私も目を見開いた。
「俺の女だから手ぇ出すんじゃねぇって」
「う……うそ…」
そういえばあの日、彼の右頬は赤かった気がする。
「お前のことしか見てなかった。女子の中ではお前としか話さなかったし、お前にしか触らなかった」
「………知らないよ、
そんなの……」
「……極めつけはなんだと思う?」
彼の泣き笑いのような表情に、胸が張り裂けそうになる。