電話越しの君へ



涙声で言うと、彼はますます眉間にしわを寄せる。




「仲間がお前に告った次の日、あいつのこと殴って脅した」




「は!?」




その言葉には、さすがに私も目を見開いた。




「俺の女だから手ぇ出すんじゃねぇって」




「う……うそ…」




そういえばあの日、彼の右頬は赤かった気がする。




「お前のことしか見てなかった。女子の中ではお前としか話さなかったし、お前にしか触らなかった」




「………知らないよ、
そんなの……」




「……極めつけはなんだと思う?」




彼の泣き笑いのような表情に、胸が張り裂けそうになる。




< 50 / 98 >

この作品をシェア

pagetop