電話越しの君へ
「……お前に6組になられちゃ困った。だからヤマかけた時も、わざと出なそうなとこばっか丸つけた」
私から視線を逸らして彼は続けてく。
「6組になるための点数の調整、上手くできる自信なんてなかったし。だったら、綾瀬が7組になるように仕向けて、俺は全部の問題で間違った答えをマークするだけでいい」
「…………す、杉本…」
「引いただろ?」
自嘲ぎみに笑って、
彼は私を見る。
「俺は、好きな奴と同じクラスになるためなら、平気で0点とれんだよ」
そんな彼を見上げると、言いようのない感情が込み上げてくるのがわかった。