電話越しの君へ
「それでも……」
私の声が透き通った空へと響いてゆく。
「それでも私は……杉本が好き」
夕日が私たちを照らす。
ほんの少し、杉本の瞳も潤んでいるような気がする。
「……俺、わざとお前にテストに出ないとこ、教えたんだぞ?」
「…うん」
「お前を7組にしちまった。」
「……そうだね」
「それでもいいのか?」
「……むしろ嬉しいよ」
はにかんでみせると、
杉本は困ったように笑って「そうか」と言った。