電話越しの君へ



『……お前が俺のこと好きなのは、気付いてたぜ?』




バッと杉本を振り向く。




「や……やだ、うそっ……!?」




真っ赤になって言うと、杉本は実に楽しそうに笑った。




「かわいかったなー…
俺が好きな子の話するたびに苦しそーな表情する綾瀬」




「や、やだっ
もうやめてよ……っ」




とっさに私は耳を塞ぐ。




「応援するって言ったときの傷ついた顔も、すげぇそそられた」




「ぎゃーっ変態っ鬼畜っ!!」




耳を塞いでなお、聞こえてくる声をシャットアウト。




「あー……もー…可愛いな」




さすがにこの声は聞こえなくて、
やっとおさまったらしい杉本の声に私は安堵して塞いでいた手を外した。




しかしその手は再度杉本によって掴まれる。



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