電話越しの君へ
う、うそ……だろ?
「綾瀬ぇ…」と悲しげな表情をしている他の三人をみて、それが冗談ではないことに気付く。
綾瀬が……綾瀬が俺を、好き。
心臓が早鐘を打ちはじめる。
あまりに大きいその心音に、あいつらのとこまでこの音が聞こえちまうんじゃないかと思った。
それからしばらく他の三人が、
いかに俺が悪い物件かを延々語っていたが綾瀬はそれを受け入れようとはしなかった。
あの三人が俺をどう言おうが知ったこっちゃないが、綾瀬が俺を好きな姿勢を崩そうとしないことが何より嬉しかった。