追うんだ!隼人!


ナイターの照明が小さなローズトレジャーの馬体を照らす。




皮膚の垂れ下がった老いの目立つ馬体は8歳の牡馬にしては老け込んでいる。




目元のシワがくっきりとしているのは苦労が滲み出ているせいなのだろうか。


大きな瞳はこの世の切なさを訴えているようで、馬とはいえどこか奥ゆかしさを感じさせる。


恐らくその瞳でたくさんの悲しみを見てきたのではないか…。




8000頭のサラブレットが毎年生産されている。


たかが1頭のサラブレットの人生(馬生)など…。


用が済めば簡単に捨てられてしまう。





サラブレットは経済動物だ。





だが…誰しもがそんな視点で馬を見ている訳ではない。



特に彼は…。
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