【短】同窓会―episode 1―

あっという間に同窓会の日はやってきた。

集合場所に、人影が見える。

「……水城?
もしかして、水城くん?」


ジーパンにパーカーというラフな格好で声を掛けて来たのは、三嶋という女子だった。


「三嶋、久しぶり。」


「やっぱりそうだ、久しぶり~!
全然変わってないね、イケメンのまんまだ、水城は。」


「三嶋も全然変わってねー…ってか、あ、お前柿崎と結婚したんだよな?
柿崎は?一緒に来てないの?」


三嶋と柿崎は中学から付き合ってて、見事そのまま結婚したという、なんともほのぼのしいカップル。

今はもう、夫婦か。


「もう辰海は中で呑んだくれてるよ、酒を。
水城が一番遅れて来たんだよ。
駄目じゃん、中学校教師なのに、遅刻しちゃ。」


「あ、そうだったんだ。
ごめん。」


目の前の居酒屋からは、大きな笑い声やなんやで、わいわいと賑わっていた。


「みんな~水城来たよ~」


三嶋がそう言うと一斉にみんなが俺を見た。


「ひ…久しぶり…。」


なんだか照れてしまって俯いてそう言った。


「お、蒼~来たか~」


既に出来上がった酔っ払いの柿崎が手招きして自分の隣の空いた席をポンと叩いた。


「お前先生になったんだって~?
すげーな、さっすが蒼!」


そう言って豪快に笑う柿崎。



超、取り扱いづらい。

でもそれが中学の頃と同じで、嬉しくもなった。


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