空白の時間=友情>愛情
存在
翼はゆっくりとした口調で話し始めた。
「先生はSNSサイトの“pixi”を知ってますか?」
「やってはないが、聞いたことはある」
「共通の趣味の人とかとネット上で友人になって交流できるサイトなんです。半年ぐらい前かな…ボク宛てにメッセージが届いたんです」
「うん」
「メッセージをくれた人のハンドルネームは“アニキ”でした」
「それが賢二なのか?」
「そうです」
「最初はボクもいたずらかと思いました。でも、交流していくうちに間違いなく賢二兄さんだと確信しました」
「それで賢二はどこにいるんだ?」
「それが…居場所や携帯の番号は教えてくれないんです。そして、兄さんが生きている事実を決してしゃべらないのがルールなんです。だから先生も絶対誰にも言わないでください。兄さんは“存在してはいけないんです”」
「そうか…」
賢二はどこかで生きている―。
その事実がはっきりしただけで、心の中の深い霧が晴れていくようだった。
「先生はSNSサイトの“pixi”を知ってますか?」
「やってはないが、聞いたことはある」
「共通の趣味の人とかとネット上で友人になって交流できるサイトなんです。半年ぐらい前かな…ボク宛てにメッセージが届いたんです」
「うん」
「メッセージをくれた人のハンドルネームは“アニキ”でした」
「それが賢二なのか?」
「そうです」
「最初はボクもいたずらかと思いました。でも、交流していくうちに間違いなく賢二兄さんだと確信しました」
「それで賢二はどこにいるんだ?」
「それが…居場所や携帯の番号は教えてくれないんです。そして、兄さんが生きている事実を決してしゃべらないのがルールなんです。だから先生も絶対誰にも言わないでください。兄さんは“存在してはいけないんです”」
「そうか…」
賢二はどこかで生きている―。
その事実がはっきりしただけで、心の中の深い霧が晴れていくようだった。