クリスタルライン
リョウ、良かったね。
またこの家に、良い人たちが越して来たみたいだよ。
「ねぇ、じいちゃん行こう?」
やっと後ろから顔をのぞかせ、おじいちゃんの服の袖を引っ張る斗真くん。
「おぉ、おぉ。そうじゃの。そろそろ行くかの」
「あ、じゃあ私もこっちの道なんで」
それから3人で歩きだす。
「いってらしゃぁい。3人とも気をつけてねー!」
ニコニコと笑って手を振ってくれている光代さん。
私も笑顔で手を振り返した。
別れ道に差し掛かった時、斗真君が私に小さく手を振ってくれた。
「お姉ちゃん、バイバイ」
「バイバイ斗真くん。またね」
「またね~」
胸がジーンと温かくなった。