クリスタルライン
リョウとは、幼稚園の頃からの幼なじみだった。
年を重ねるにつれて、幼少の頃のようには接しなくなったものの。
本当は私、リョウのことが大好きだったんだ。
噂では、リョウも私のことが好きだって聞いていて。
はっきりどちらかが好きだって伝えれば、ことは解決したのかもしれないけど。
お互い、なかなか言えずにいた。
恥ずかしさの方が勝っていたんだと思う。
だけど、今から2年前の中3のクリスマス。
リョウから、イブにデートしようって誘われた。
すごく嬉しかった。
やっと想いが通じ合えたのかもって思ったんだ。
だけど、デートは出来なかった。
私との待ち合わせ場所に来る途中に、リョウは車にひかれて亡くなった。
事故のあと、リョウの家族は、リョウのことを思い出しちゃうからと言って少し遠い街へ引っ越した。
もうリョウはいないって、頭では分かってるつもりなのに。
未だに私は、あの家から彼が出てきてくれるんじゃないかって、リョウが住んでいた家を見てしまう。