クリスタルライン






私は、立ち上がり叫んだ。



「あたしがどんな気持ちでいるか、何も知らないくせに。好き勝手言わないでよ!!」




もう周りがなんと思おうと、言おうと私には関係なかった。



「だってっ……だってリョウのこと、好きで……好きで仕方ないの」



自分では止められなくて、どうすることも出来ないこの気持ち。


分かってるよ。


この世のどこを探しても、彼はもういないってこと。


だけど、心が……体が、まだ彼がいない寂しさについていけていない。


みんなにとっては、もう2年も経ってることかもしれない。


だけど、私にとってはまだ2年しか経っていないの。


2年という年月は、多分短か過ぎる。








私は、荷物を持って教室を出た。


今日はもう、ここにはいたくない……


そう思った。


階段を駆け下りていくとき、高校に入ってから一番仲の良いミナミとすれ違ったような気がした。



「あ、杏里!?」



やっぱり、今のはミナミだったんだ。


走り去っていく私に驚いてる様子だった。


ごめん、ミナミ……今日はサボる。


私は学校を出てからもひたすらに走った。


何も考えずただ、風を切って。


冷たい風が、時折のどに入ってきたけど全く気にならなかった。




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