中心のアイツ
一緒に帰るようになってから、数日たったある朝にこんな事を言われた。

「嬢。殴られる事を覚悟で言いますが、彼のこと、好きでしょう?」

言われた直後、倒れそうになった。

「す、好きとかわかんないよ!! あと、殴らんわぁ!!」

声が低くなったが、気にしない。あと明も

「どきどきするでしょう?」
「う、それは……」

確かに、するけど・・・

「それが、恋。ですよ」

かぁぁぁと顔が赤くなるのが分かった私は、家を飛び出して、学校に行った。


顔が赤いまま、学校に行くと繭に問いただされ、それは昼休みまで続いた。
 そして途中で呼び出されたと思ったら、見知らぬ男子に告られた。
丁重にお断りしましたが。

 明と同じ事を言われ、反論してもさっきの子にはドキドキしてないと言ったらやっぱりそうよといわれた。
 頑張ってと言われ、顔が赤いまま帰る事になった。

例の〝彼〟と

その帰りは何故か彼は不機嫌で話しかけられなかった。

「松嶋、顔赤いけど何かあった?」

昼のことを思い出して、あたふたする私はあわてて言い返す。

「えっ… な、何でもないよ!!」



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