中心のアイツ
言う、知ってもらう。
 何時知ったって結果は変わらないのならば、大事な人のために何かしたい。

無力のままは嫌だった。

 お父さんの時だって何も出来なかった。
あの時は幼すぎて何も出来なかったと思うけど。その何かをしようとすら思わなかった。


誰かを想うこの気持ち。


守るのは自分の心だけど、やれる事はやりたい。
 後悔するのは嫌だから。
私に護ったと思わせて。それを源に頑張るから。


―――たとえ会えなくなっても


バレてしまえば、ココにはいられないだろうから、期限前に、ココから消える。
 あの人は、不思議がるだろうか。いや、母さんとお金以外に興味の無い人だから何も思わないだろう。

決意をして息を吸う。

「私ね、“普通”の男の子と恋愛しちゃいけないの」

そこで、いったん区切る。そして、言う。
 私の気持ちを

「これから言う事は本当の私を見てから返事してね?」

そう前置きした私を不思議そうに見る啓汰君を見ながら言う。
 

「……飯坂君好きです。」


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