中心のアイツ
そういった私を最初はポカンとした顔で見ていた啓汰君に、頬にサッと朱がはしったのが見えた。

 そんな顔を初めて見た私は、まじまじと彼の顔を見つめていた。
そうすると

「本当の松嶋っていつわかるの?」

律儀にも私の言った事を守って、訊いてくれる彼に心が温かくなった。
 おそらく、すぐにわかるだろうから、早いほうがいいと思って

「明日には」

そう言ったら。

「明日!?」

驚かれてしまった。

待たすよりはいいのにな、と思いながら明日の計画を立てる。
 あぁ、明にも転校するかもって言わなきゃなぁといまさらながら思う。

早いほうがいいよね? と思ってさっさと帰る事に決めた。
 計画立ててる最中に笑っちゃたら最悪だー、と言い訳を付け加えてから

「明日、楽しみしてるからね? “啓汰”くん? バイバイ!」

そう言って、ダッシュで逃げた。
 思い切って名前呼んじゃったよー、と赤面しながら。



「あれ? 嬢?」

ダッシュで家に向かう途中、呼びかけられた。

「明!! あのね、言う事にしたの、計画立てるんだ、それで転校のね、」
「落ち着け!! 何言ってるかさっぱりわからん」

息すって、の声にあわせて深呼吸した。

「それで、何ですか?」
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