中心のアイツ
第3章 本当の幸せなるためには

闇を抱えた少女

 この朝、私は物凄くイライラしていた。

理由は、席替えがあったから。


 急に、副担のカトウが席替えするなんていいやがったからだ。
担任の、藍ちゃんが休みだからって~~~

 席替えまでは良かった。だが、席が問題だった。

前は窓側で暖かくて良かったのに(うちは、冷房が強くて寒い)、廊下側になったし、しかも一番前。
 啓汰君は一番後ろだし、授業中観察できない~~
横に誰もいなくて良かったよ、女の子いたら嫉妬で狂いそうだったよ。

でも、ね? 私の横が立花さんって…………

あの一件があってから、私に暴力をふるっていた人達は退学になり、少しでもあった人は何らかの処分があったらしい。
 その処分明けのこの日に席替え。 狙ったか? カトちゃんめ。

き、気まずい………

 せめて繭が傍にいてくれればよかったけど、繭は窓側だし。
あの時以来、繭以外は私に対してよそよそしくなってしまったから、他に頼れる女の子はいない。

 気まずいけど、気になる事がある。私が態度を変えたときのあの怯えよう。

何か、おかしい………


「ねぇ。立花さん」

「えっ? な、何?」

声をかけられると思ってもみなかったのか、驚いた顔でこっちを見た。

「あのさ、私が反撃したとき、どうして震えだしたの?」

「…………」

訊いても答える素振りをみせない。

「ねぇ、同じって……」

 何? と訊こうとした時にチャイムが鳴り、彼女はどこかに行ってしまった。

貴女は何を抱えているの?
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