ビター・キャラメル

極貧生活





家の前で彼と別れたあと、古ぼけたアパートのドアをしばらく見つめた。


茶色く汚れた夏川という表札にグレーのペンキがほぼはがれたドア。


とりあえずかなりボロい。携帯より新しい家が欲しい。




「ただいまー」

家には誰もいないけれど、癖は抜けない。


今回の夜逃げは長いみたいだ。
もう3ヶ月戻ってきていない。




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