ビター・キャラメル
リダイヤル
「よかったね、念願の携帯!」
「…なんでこんな高価なもの買って来るんですか」
隣で歩く今日も不審者の彼を睨むが、暗闇なうえ、身長差がありすぎて前を向いている彼にはまったく効果がない。
「えー、だって欲しいっていってたし、危険だし」
「だから危険じゃないです」
「いや危険だ」
「…そうですかー」
まあ、ありがたく心配されておくことにしよう。
それと携帯をもらうことは別の話だけど。
でも、もらってしまった以上、返せないだろうし、かといってあたしにこの携帯のお金が出せるほどお金はない。