ビター・キャラメル



わかんないわかんない!


「え、えと…」


「俺いっとくけど一途だからね?」


まっすぐに見つめられて、彼はにやりと笑いながらあたしに言った。



…えーと、これは口説かれてる?

いやいやいや。アリエナイ。



「わかったからっ!
と、とりあえず離れてっ」


「ははっ、わかってくれたならいいよ」


彼はすぐにあたしからパッと離れるとケラケラ笑いながらすぐそばのテーブルに座った。

なんなの、今のギャップ。

まんまと彼の策略にはまった自分が口惜しい。


だいたい今の迫り方じゃ余計にチャラ男にしか見えなくなるって!





「こら、てめえちゃんとイスに座れ」



そこを怒るんだったらだったらあたしの時にも助けを出してよ!
なんて、多分言っても無駄だろう。






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