ねぇ、会いたいよ


タケルがポソリとポケットに手を
つっこんでつぶやくように言った。

「えっ…?」

あたしはたぶんまだ顔が赤いまま
タケルの方を向いた。
すると、タケルがあたしの方を
目だけでふり向いてやさしく
ほほえんで言った。

「お前のことはちっこいころからずっと見てんだよ。だからお前のことで…ルミのことで俺の知らねぇことはねぇの。」

そう言うと、あたしの頭をポンと
たたいて自分の席へ行った。

ドキッ――・・―

なんかあたしタケルに対して
おかしいよ…ほんとに…笑。
タケル昔っからふとした瞬間に
やさしいんだよな~…。

ねぇ、タケル?
あたしだってね?タケルに負けない
くらいあんたのこと知ってるよ。
誰にも負けないくらい知ってるよ。
だけどね?
最近あなたのことでわからない
ことがあるんだ。

あの…ね。


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