ねぇ、会いたいよ
* * *
「ねぇタケルぅー玲ちゃんいないー?」
いつの間にか隣に並んで
歩いているあたしとタケル。
まぁ実はタケルが気を使って地味に
いつもより遅いペースで
歩いてくれてたからなんだけどね。
「遅刻魔のくせにチビなのかよ、バーカ」
あたしの方をチラリと見て
いたずらっぽく笑うと、
すぐにきびを返したように言ってきた。
「あれじゃねーの?」
タケルが軽く指をさす。
「えっどこどこ??」
まだ見つけられていないあたし。
するとタケルがあたしの方を
見下ろしてつぶやくように言った。
「あとで倍返ししてもらうからな」
「えっ……?」