ねぇ、会いたいよ

下からタケルのドアップに近い顔。

「何でもな…「その顔他の男に見せんなよ?誘ってるようにしか見えねぇから」」

すくっといつの間にか立ち上がって
あたしの耳元でそうささやいた。

スタスタと歩いていくタケルを
無意識に目で追っていた。

「ルぅミ!!おっはよ。てかどうしたの?ボーッとしちゃって」

「へっ?」

いつの間に来たのか分かんないけど、
玲ちゃんがあたしの肩に手をおいて
話しかけていた。

だって玲ちゃんだけならまだしも
横を通り過ぎてく人がチラチラ
見てクスッて笑ってるんだもん!!

「ルミあんた顔真っ赤(笑」 

玲ちゃんがブレザーのそでで
口元をおさえながらクスクスと笑って言った。

「もう!玲ちゃんのバカー!!」

そう言ったあたしの顔はまだ赤い。
玲ちゃんはハハハ~と笑いながら
一緒に行こって言ったくせに
1人でトコトコ歩いていってしまった。
もうっ何なのよ…

1人ムスッとして来た道を
また戻ろうとした。
ふり返った。その瞬間だった。

「おっ可愛い子発見~」

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