深紅の月~江戸時代~
次の日・・・


朝、店に来た司は固まった。

「あははは、いやー君が帰った後、お客さんがいっぱい来てね、気がついたらこんな事になってたんだー」

司が見たものは・・・


昨日、きれいに整理したはずの本が床に散らばっている姿だった。

「・・・」

「って事で、今日も整理とホコリ取り、よろしくね」

そう言って店主は笑顔で司にはたきを手渡した。

「・・・・・・」

手渡されたはたきをジッと見つめた司は両手で持ち・・・


バキッ!


真っ二つに折った。

「いぃぃぃやぁぁぁぁ――!」

店主の叫び声が店全体に響いた。

「なんで!?なんで折るの!」

「・・・ムカついたからです」

黒い笑顔でそう言う司を見た人は、ササァ、とどこかへ消えていった。

「あぁ!お客さん!」

と、こんな恐ろしい事件が起こってしまったのです。

そして、今に至る。


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