深紅の月~江戸時代~
~夕方~

周助の怪我は、何とか気合で治したらしい。

「お~い、司!」

走りながら司のもとへ周助が駆け寄ってくる。

「そんなに大声で叫ぶな。恥ずかしくないのか?」

「別にいいじゃんよ~ケチくさいな~」

周助は口を尖らせて司に言葉を返した。

「で、何の用だ?」

司がめんどくさそうな顔で周助に聞いた。

すると周助は満面の笑みを浮かべた。

「皆で鬼ごっこしよー!」
「断る」


即答だった。

< 31 / 46 >

この作品をシェア

pagetop