深紅の月~江戸時代~
「テメー!参加しろよ!何、本読んでるんだよ!普通すぎて気が付かなかったじゃんかよ!」

激怒する周助に向かって、司は何気ない顔で返事をした。

「うるさい、黙れ、やかましい。良い場面なんだ。静かにしろ」

司に気をとられていた周助は後ろから来た鬼―・・・もとい、男の子に気が付かなかったらしい。

「周兄ちゃん、つーかまーえた!」

「え!もう捕まっちゃった!」

「アハハ!じゃあ、今度は周兄ちゃんが鬼!」

「よし!皆逃げろよー!捕まえにいくぞ!」

そう言って周助は子供達を追い掛け回した。
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