手の中の蝶々


今日のエプロンは黒と白のチェックで、モノトーンな感じだ。


そのエプロンを身に纏い、キッチンに立っている。



「今日はオムライスにしよ」



それから、手際よく作業は進み、そろそろ先生が帰ってくるかなぁなんて思っていた時、丁度インターホンが鳴った。


私は何の疑いもなく、扉の先には先生がいるものだと確信を持って出迎えた。




まさか、そこにアノ人が立っているだなんて思いもしなかった。




アノ人にとって私はお荷物で。



会いに来る理由なんて無くて。





だから、まさか、








「お姉…ちゃん…」






貴方がいるだなんて思ってもみなかったんだ。





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