手の中の蝶々


より一層濃くなった匂い


狭くなった視界


熱くなる体に早くなる心臓


回された腕は私の体を包んで


締め付けられるような圧迫感



「……!」



私、先生に抱き締められてる。



急過ぎて、それに加えて意味が分からない行動に、私の頭はパニックで、考えが物凄いスピードでぐるぐる回っている。


なんで…?なんで先生がぎゅってしてんの…!?


「な…!な…!!」

口をパクパクさせるだけの私なんてお構い無しに、力のこもった腕が揺るまることはない。



そして、



さらに先生は私に追い討ちをかける。








『夂葉さん、好きだよ』













全回路がストップするんじゃないだろうか。




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