手の中の蝶々


「てかボスって…」

『失笑しないでよ!僕だって好きで呼ばれてたわけじゃ…!周りが勝手に…!』


まじで学生時代ボスだったんだ。
ギャグなのか?


『1日で学校治めちゃったらしょうがないって』


学校を治める?
…一体先生達はどんな学校に通っていたんだ。

『夂葉さんには知られたくなかったのに』

「何で?」

盛大にため息をついた先生は、活力の失った目で私を見つめる。

でも、私にとったら別にどうでもいいことだ。


『乱暴嫌いじゃない?』

「意味のある乱暴なら」

『じゃあいいや』


あっさり元気を取り戻した先生は、託さんの方を振り向いて、


『何でまだいんのお前』

『えっ…酷…!!』

冷たく言い放つ先生は、私の肩に手を回して、自分側に引き寄せた。

「…!?」


『夂葉さん乱暴好きみたいだからさ…。で、そこで見物?』

「な…!!!」

何の話だ…!
誰も好きとは言ってないし、それになんだか意味合いがさっきと違うのは気のせい?


『俺にそんな趣味はねぇ!俺はボインでアハンなお姉様が好きなんだよ!』


素晴らしい捨て台詞を吐いて去っていった託さん。



ボインでアハンじゃなくて悪かったですね。



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