手の中の蝶々
リビングに入って、目についてしまったのは、
「そ、存在忘れてた…!」
『酷い!!愛しの僕のエプロン達を…!』
口調が僕に戻った先生が、騒がしいのは…そう、エプロンのせい。
そういやあったなこんなおまけ。
「まさかこれからずっと着なきゃ駄目?」
『当り前でしょ』
別に、いいけどさ。
先生の趣味悪くないし。
『でさ、考えたんだけどさ、エプロン着ながら営んじゃわない?』
「ばっ!ななな何て事を!!!!」
本当に教師!?
有り得ないもう何なの本当。
「わわ私はご飯作るから…!」
とにかくその話題から逃れたくて、私はエプロンを来てリビングに立った。
その瞬間、
「……先生!?」
温かさに包まれたと思ったら、その正体は先生で。
『これからきっと、大変な事も多いと思う。僕達は世間から見てとても特殊で危ない関係で』
そのまま話し続ける先生の声は真剣で。
『でも僕は君が好きだ。だからこそ、けじめとして君が高校卒業するまで手は出さない。俺の言う冗談は未来の予定だから』
「は…?」
途中までかっこ良かったのに後半わけが分からなくなってしまった。
『夂葉さんは大人になったら僕にめちゃくちゃにされる覚悟でいなきゃいけないって事』
「…っ!!」
先生の言ってる意味を理解した私は赤面するしかなかった。